言葉の森「具体と抽象」
- TOSHIHIRO AKIMA

- 2020年12月9日
- 読了時間: 3分
普段からよく耳にする具体と抽象、それぞれについて正しく知っているでしょうか?
ここでは、具体と抽象について理解を深めていきたいと思います。

そもそもなぜ、抽象と具体について理解することが重要なのか抽象と具体については、文章において必ずといっていいほど現れてきます。
それは、現代文の評論や説明文にとどまらず、小説、日常会話や仕事の中でも頻繁に知らず知らずに使っているのです。なぜなら、抽象と具体を行き来させて話すことでより何が言いたいのかわかりやすくなるからです。ただ、日常的にはあまり意識していないため、正しく使えていない場合も少なからずあります。ここでは、抽象と具体について正しく理解し、
国語の問題が読めるようになるだけでなく、日々の会話がわかりやすくなるように是非知ってもらいたいものです。
具体と抽象とは?そもそも、具体と抽象とはどのような意味を持った言葉なのでしょうか?ここでは、
それぞれの言葉の辞書的な意味を踏まえて簡潔にどのようなものか捉えていきたいと思います。
まず、具体(概念)とは
『①さまざまな属性によって形成されながら独立して存在する事物の概念。例えば、さまざまな属性をもつものとしての人間の概念。↔一般概念。 ②直接に経験できる事物の概念。 ③事物のあらゆる面、他物との関連を明らかにして事物を全面的にとらえる概念。↔抽象概念。』
(広辞苑より引用)
すなわち、
具体:はっきりした姿や形があることや、現実に基づいているもの
感覚的に捉えることができるものですね。目に見えるものや現実に存在するものなど
です。
次に、抽象とは
『事物または表象の或る側面・性質を抽ぬき離して把握する心的作用。その際おのずから他の側面・性質を排除する作用を伴うが、これを捨象という。一般概念は多数の事物・表象間の共通の側面・性質を抽象して構成される。』(広辞苑より引用)
すなわち、
抽象:具体的なものの性質の一つを引き出すこと
他との共通点に着目し、一般的な観念へとまとめること
感覚的に捉えることができた具体に対して、抽象は目に見えないものですね。
抽象は、たくさんの具体に基づき、そこから共通の部分を抜き出して、まとめたものですね。例えば、目の前に10個のイチゴがあったとします。それを全部食べた後、10個とも
甘かったします。そこで、イチゴは甘いものと言う抽象的な”甘い”との性質が抜きだされるのである。
類似概念具象:はっきりした姿や形をもっていること。わかりやすく明確に示すこと
捨象:一つの性質に注目するとき、他の性質を無視すること。抽象と同時に行われている
こと
具体と抽象の関係性抽象と具体は、まるで「森と木」の関係のようなものである。
再度、説明になるが具体とは「体(=姿、形)」がある。
森林の例で言うならば、具体とは、1本の木、そのものである。
その木は、現実にあるものであり、もしかすると幹に人が彫った文字が書かれている
かもしれない。一方で抽象とは、個々の具体的なものがもつ多様な性質の一つに注目し、
それを取り出し、そのもの全体を指し示し、同じ性質をもつ他のものと結びつけ、同類としてまとめることである。
抽象と具体の役割相手に伝える際に、考えを整理して伝えることでわかりやすくなる。
適当に脈絡のないことを言うよりか、
まとめ具体とは、現実にあるもの
抽象とは、現実にあるものをある特徴でまとめた概念



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